こんにちは。たけトピ編集部のNaokoです。
今年は千住宿開宿400年を記念してさまざまなイベントが開催され、その一部をたけトピでもご紹介していますが、このたび足立区内の全小学校・中学校で千住宿開宿400年を記念した特別な献立が提供されるという情報を知り、取材に伺いました。
今回取材させていただいたのは、この日2回目の千住宿開宿400年記念献立が提供される、足立区立千寿桜堤中学校です。
足立区の給食のすごさを目の当たりにしてきました
「足立区の給食はおいしい」という話を耳にすることがあり、なんとなく良い印象を持っていました。
今回の取材でそれ以上に驚いたのは、足立区の小中学校の給食はすべて「完全自校式」であるということでした。
それぞれの学校に 専任の栄養士さんが所属し、毎日の献立を学校ごとに独自で考案しているのです。足立区内の小中学校全102校、学校ごとに献立が作られているという事実に、思わず「すごい」と唸ってしまいました。
そして今回ご紹介する“千住宿400年記念献立”も、区から共有された参考献立をもとに、栄養士さんが工夫してつくり上げたオリジナルメニューです。
地元にまつわる歴史を給食から学ぶ。松尾芭蕉の好物はこんにゃくだった！
この日、千寿桜堤中学校で提供されていた千住宿開宿400年記念給食のメニューは、千住から東北に旅をした松尾芭蕉ゆかりの料理がテーマになっていました。
献立は、
・麩のたまごとじ丼
・浅漬け（こんにゃく入り）
・ずんだもち の3品。
仙台名物の油麩は卵とじに、松尾芭蕉が好きだったというこんにゃくは浅漬けに、そして東北のスイーツといえばずんだもち。献立には、松尾芭蕉の旅路や好物、その土地の食文化など、食を通して歴史を感じられる工夫が詰め込まれていました。
やさしい味付けの「麩のたまごとじ丼」は、ほっとする味。「芭蕉がこんにゃく好きだった」というエピソードも初めて知りましたが、解説を聞きながら食べることで、知識まで身体に入り込んでいくような感覚になりました。
栄養士さんの献立への思い
今回の献立について、栄養士の稲葉さんは、次のように話してくれました。
「松尾芭蕉が東北に旅をしたことから、今回は“東北”をテーマに献立を考えました。調べる中で“こんにゃくが好物だった”と知り、驚きながら取り入れました。最初は味噌田楽にする予定でしたが、野菜が減ってしまうため和え物に変更しました。白菜と小松菜は足立区産です。」
また、普段の給食づくりについても工夫を続けているとのこと。
「豆類はそのままだと残りがちなので、小さく加工して使ったり、揚げたりして食べやすくしています。今回の枝豆も、ずんだにすることで食べやすさを工夫しました。給食の時間が『楽しかった』と思ってもらえるよう、食を通して学びを感じてもらえるように日々考えています。」
「お話レシピ」で背景を知る
給食の時間が始まる教室を訪れると、生徒さんが「お話レシピ」を読み上げていました。
その日の献立を詳しく解説する「お話レシピ」は、千寿桜堤中学校では毎日行われている取り組みで、その日のメニューや献立の背景などをクラスで共有する習慣です。今回の千住宿開宿400年記念献立の背景についても、説明がありました。
生徒さんに記念給食の感想を伺うと、
「美味しかった！」
「松尾芭蕉の気持ちになれた」
「松尾芭蕉がこんにゃくが好きだったなんて知らなかったし、400年前にもこんにゃくがあったことにも驚いた」
食べる体験を通して、学びがより楽しく身近になっている様子が伝わってきました。
竹の塚の小中学校にも登場します！
千住宿開宿400年記念献立は、足立区内の小中学校で最低1回は登場します。竹の塚地域の学校でも各学校ごとに様々な献立が提供されます。
ぜひ、保護者の方は給食の献立メニューをチェックしてみてください。そしてお子さんが献立を食べた日には、
- どんな味だった？
- どんな話を聞いた？
- 驚いたことはあった？
など、お話ししてみてはいかがでしょうか。
給食の献立が詳しくわかるブログ
今回取材させていただいた、千寿桜堤中学校では毎日の給食を写真付きで紹介するブログがあります。献立ごとに詳しい解説が記載され、食に関する貴重な情報が満載です。食に興味があるかたは、ぜひチェックしてみてください！
毎日当たり前のように出される給食の裏側には、子どもたちの食と学びを支える工夫がたくさん詰まっていました。
コメントを残す