2026年4月13日、足立区で戦没者および東京大空襲の犠牲者を追悼する合同追悼式が行われました。

会場にはおよそ100人が集まり、参列者は一人ひとり静かに献花を行いました。4月のこの時期に行われるのは、昭和20年4月13日から14日にかけて、足立区が大きな被害を受けた空襲があったためです。この空襲では約1万9千戸が被災し、多くの命が失われ、その記憶を忘れないために、この時期にあわせて開催されています。
筆者も当日現地を訪れ、献花に参列させていただきました。式の時間は終始落ち着いた空気に包まれており、会場には戦争に関する展示も設けられていました。当日の様子と、そこで語られていた言葉をお伝えします。
約100人が参列、静かに行われた追悼式

会場は足立区役所の庁舎ホール。遺族関係者をはじめ、区関係者など、幅広い世代の人が訪れていました。
式典は午後2時から約1時間にわたって行われ、国歌斉唱と黙とうのあと、足立区長の近藤やよい氏と足立区議会議長のただ太郎氏が追悼の言葉を述べ、その後、参列者が順に献花を行いました。

厳粛な雰囲気の中で式は進み、参列者は順に花を手向け、それぞれの思いを胸に祈りを捧げている様子が見られました。一人ひとりが静かに向き合う時間が流れていたのが印象的でした。
会場には戦争に関する展示も

会場内には、東京大空襲や戦争に関する資料や写真などの展示も設けられていました。

当時の出来事や被害の様子を伝える内容で、足を止めて見入る人の姿も多く見られました。式典だけでなく、こうした展示を通して過去の出来事に触れる機会にもなっていました。
区長・議長が語った「記憶をつなぐことの重要性」

式の中では、足立区長と足立区議会議長がそれぞれ追悼の言葉を述べました。
区長は、戦地や空襲で犠牲となった人々に対し、足立区民を代表して深い哀悼の意を示しました。
そのうえで、戦後生まれの区民が9割を超える現在、戦争の記憶を直接語れる人が少なくなっている現状に触れ、「記憶を遠い歴史の1ページとして風化させてしまうことこそ、最も抗わなければならない現実」であると強い危機感を示しました。
また、現在の平和と繁栄は、多くの犠牲と、その後を生きた人々の歩みの上に築かれているものであるとし、その記憶と向き合いながら次の世代へと語り継いでいくことの重要性を訴えました。
そして、「誰もが自分らしく笑顔で明日を語れる足立の姿、その実現こそが、御霊への最大の供養であり、今を預かる私どもの揺るぎない使命であります。」と述べていました。

議長は、戦争の記憶を風化させてはならないという強い思いを示しました。
長い年月の中で、現在の平和な社会が当たり前のものとして受け止められがちな状況に触れ、その背景には多くの犠牲とご遺族の苦しみがあることを忘れてはならないと訴えました。
また、同じ悲劇を二度と繰り返さないためにも、その記憶を未来へ語り継いでいく責任があるとし、誰もが希望を持ち、心豊かに暮らせる社会の実現に向けて取り組んでいく必要性を強調しました。
合同開催となった背景

この追悼式は、令和5年から始まった東京大空襲犠牲者追悼式と、長年行われてきた戦没者追悼式を、遺族会の要望を受けて令和6年から合同で開催するようになったものです。

今回、追悼式に参列させていただきましたが、言葉として知っている出来事とはまた違った形で、平和と静かに向き合う時間が流れていました。参列は事前申し込み制で、WebやFAXなどで受け付けられており、たけトピでも事前に紹介していました。

今後もこうした機会があれば、関心のある方は参加を検討してみてください。こうした機会が、日々の中であらためて平和について考えるきっかけとして、これからも続いていくことが期待されます。

