2011年3月11日、東日本大震災が発生しました。あの日、竹の塚やその周辺では何が起こっていたのでしょうか?実際にその場にいた竹の塚の住民の方々にお話を伺いました。
竹の塚駅前の混乱と帰宅困難者
震災発生後、竹の塚駅周辺は混乱していました。本数を減らして運行していたため、大混雑、入場規制がかかり、ニュースにもなりました。その様子を伝えるために上空にはヘリコプターが飛んでいたそうです。
「震災翌日、竹の塚から電車が出るとのことで駅が大混雑。入場規制がかかっていてテレビにも出ました。それを職場でみんなで見て ‘すごいなあ’ って言っていた記憶があります。」
国道4号線も大渋滞。車が動かず、歩いて帰る人も多かったそうです。
「夜、国道4号は大渋滞でした。電車の人たちはなかなか帰れなかったみたいです。私は自転車だったので帰り道は困らなかったですが、コンビニは食べ物がなく、お昼ご飯をどうしようか考える毎日でした。」
また、計画停電は思わぬところにも影響がありました。
「夫は竹ノ塚駅の駐輪場が計画停電で使えず、自転車を取り出せませんでした。」
教習所付近の火災と激しい揺れ
竹の塚の教習所近くでは火災が発生しました。しかし、道が狭く消防車の到着が遅れてしまったそうです。
「教習所横で火災が発生しました。消防車は一方通行に苦しんだのかなかなか現場に到着できず、イトーヨーカドー前の美容室からパーマの格好のままお客さんが外に飛び出してきたりしていました。」
「教習所にいました。運転していて、 ‘う?揺れている?’ って感じで、次の瞬間運転できないくらい揺れました。近くの電信柱が倒れるんじゃないかと思うくらい揺れていて怖かった記憶があります。」
家庭での恐怖と物資の不足
家の中で震災を経験した人も多く、特に小さな子どもがいる家庭では命の危険を感じた人もいました。
「家の中にいました。当時5ヶ月の息子と家でトミカやプラレールで広いキッチンのところで遊んでいました。地震が来た瞬間、食器棚が息子の方へ倒れそうになり、私が支えていなかったら息子は食器棚の下敷きになって今生きていません。」
地震後、粉ミルクやおむつなどの赤ちゃん用品が手に入らず、苦労したそうです。
「息子は完全ミルクでアレルギー用粉ミルクを使っていました。近所のドラッグストアでも赤ちゃん本舗でもミルクもおむつも買えずに困っていました。遠方に住んでいる友達に送ってもらい助かりました。」
六本木で働いていた女性の徒歩帰宅
六本木で働いていて、地震が発生したときは、とっさに机の下に潜ってPCを抱えていました。18時になって、自力で歩いて帰ることを決意しましたが、そのときはまだ津波のことを知らず、正直なところ、そこまで事態の重大さには気づいていませんでした。
唯一、浅草までなら銀座線が動いていると聞いたので、それに乗って浅草へ向かいました。浅草に着くと、足立区まで行くバスがあるという噂を聞いて、『これは乗るしかない』と思い並んだのですが、すでに長蛇の列でした。バスはすぐに満員になり、乗れなかった人がドアを叩いていて…あのときは本当に怖かったです。でも、そんな中でも、列に並ぶ人たちにホッカイロを配ってくれる心優しい方もいて、とてもありがたかったですね。
バスは北千住の4号線の前あたりで止まり、そこからはまた徒歩でした。公衆電話にも長い列ができていて、時計を見るとすでに0時を過ぎていました。そこから初めて荒川を歩いて渡りました。途中、足立区役所の方たちが施設へ誘導してくれていたのですが、家にいる母が気になり、結局そのまま自力で自宅まで帰りました。
足立区の防災アプリと救急医療情報キット
震災を経験した竹の塚の住民の声を聞くと、改めて防災の重要性を感じます。現在、足立区では「足立区防災アプリ」が提供されており、災害時の情報をリアルタイムに得ることができます。ぜひ事前にインストールしておきましょう。
また、インタビューに応じてくださった方から「救急医療情報キット」についても教えてもらいました。
「冷蔵庫の中に入れておく、チップスターのようなアレがあるんだよねぇ・・」と言いながら紹介してくれたのがこのキット。これは、筒状の入れ物の中に自分の医療情報を入れて保管し、救急隊が駆けつけた際にすぐに確認できるものです。足立区で配布されており、高齢者世帯や障がいをお持ちの方に特におすすめされています。
今回、たけトピ読者さん4名の方にご協力いただき震災当日の様子について詳しくお聞かせいただきました。筆者は震災当時竹の塚で暮らしていなかったので、とても参考になりました。今、竹の塚で暮らす私たちにとって、震災の記憶は今後の防災意識を高めるための大切な教訓です。「あの時、竹の塚ではこんなことがあった」と知ることで、未来の災害に備えましょう。
震災に関して、伝えたい教訓がありましたら、ぜひこの記事のコメント欄までお寄せください。
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